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篠原烏童『delicate triangle 借りてきた左手』:三角関係の男女がオカルト現象に遭遇する話がメインの短編集

今回紹介する1巻完結のマンガは、篠原烏童先生の『delicate triangle 借りてきた左手』です。

特徴
  • 三角関係の男女がオカルト現象に遭遇する話がメインの短編集
  • 6作品を収録しており、6作目以外は話が繋がっている
  • 怖さは殆ど無い
  • 『delicate triangle 借りてきた左手』を読むならこちら

概要

『delicate triangle 借りてきた左手』は、三角関係の男女がオカルト現象に遭遇する話がメインの短編集で、表題作の「借りてきた左手」を含む6作品を収録しています。

そして、「BLUE ROSE」以外の5作品には「delicate triangle」という副題が付いており、話が繋がっています。

また、収録されているのは以下のようです。

借りてきた左手初出は『’86 HALLOWEEN NIGHT』。
「delicate triangle」1作目。
表題作。
ほんの冗談 ROMAN HORROR DAY初出は『’87 HALLOWEEN NIGHT 2』。
「delicate triangle」2作目。
愛しのジャニー初出は『’90 ハロウィン 1月号』。
「delicate triangle」3作目。
彼と一緒に初出は『’90 ハロウィン 2月号』。
「delicate triangle」4作目。
幽霊の条件初出は『’90 ハロウィン 3月号』。
「delicate triangle」5作目。
BLUE ROSE初出は『’87 ミステリーハロウィン』。
「delicate triangle」ではない。
オカルト要素はない。

あらすじと感想(少しネタバレあり)

借りてきた左手

あらすじ

ヒヨッコデザイナーの逢坂冬子は、秀と呼ばれているエリート建築士の本多秀一、オカルト雑誌リポートカメラマンの都築健の2人と三角関係をしている。

ある日、3人にで飲んでいるときに、冬子が何かに気付いた。

なんと、健の肩に左手が乗っていた。

感想

オカルト現象に遭遇する話ですが、怖さは殆ど無いです。

そして、最後に真実が明らかになり、左手の幽霊が奥さんのところに戻れたのが良かったです。

ほんの冗談 ROMAN HORROR DAY

あらすじ

冬子は、イタリア8日間観光ツアーにまざっての一人旅をしていた。

そして、ヴァチカン市国のシスティーナ礼拝堂に訪れた。

この場所で、背の高い男に声をかけられたが、なぜか男の顔が視線に入らなかった。

感想

「借りてきた左手」と同様に、オカルト現象に遭遇する話ですが、怖さは殆ど無いです。

そして、主に冬子がイタリアでデートを楽しむ話なので、感動も怖さもなく、いまいちでした。

愛しのジャニー

あらすじ

冬子は、25歳の誕生日を秀と健に祝われていた。

そして、冬子と仲良かった山ちゃんから手紙が届いたことに気付き、後日彼女と会うことになった。

山ちゃんと再会した冬子は、彼女からユーレイが出て困っていると相談される。

感想

他の「delicate triangle」シリーズと同様に、オカルト現象に遭遇する話ですが、怖さは殆ど無いです。

そして、山ちゃんを守るために、彼女が大事にしているぬいぐるみが行動していたことに感動しました。

彼と一緒に

あらすじ

モデルである深沢直弥の葬儀に出席した冬子は、モデルのマークを見かけた。

後日、冬子はマークの撮影現場を見学することになった。

撮影時のマークは、表情といい、ポーズのくせといい、死んだ深沢とそっくりだった。

感想

他の「delicate triangle」シリーズと同様に、オカルト現象に遭遇する話ですが、怖さは殆ど無いです。

また、好意を持った人間の雰囲気をそのまま吸収してしまうマークの体質は厄介だなと思いました。

モデルの仕事に役立ったり、日本語を1週間くらいで話せるようになったりして便利ではありますが、他者の苦しみを受けてしまうのは辛いと思います。

幽霊の条件

あらすじ

秀から帰って来られないと連絡を受けた冬子は、不機嫌になっていた。

秀は、出張先から3週間ぶりに帰るはずだったのだが、出張先の支社のおえらいさんに頼まれ事をされて帰れなくなってしまったのだった。

その頼まれ事とは、マンションに幽霊が出るからなんとかしてほしいというものであった。

感想

他の「delicate triangle」シリーズと同様に、オカルト現象に遭遇する話ですが、怖さは殆ど無いです。

小さい子が、ポルターガイストを起こすほど死んだおばあちゃんのことを思っていたんだなと思うと考えさせられるものがありました。

BLUE ROSE

あらすじ

伏見恭子は、恋人の可済達哉が設立したブランドで、テキスタイル・デザイナーとして働いている。

ある日、恭子は、達哉に資金援助をしている辻川から独立して自分のブランドをつくらないかと提案された。

独立について悩んでいる恭子は、気晴らしに好きなバラを見に行った。

そして、バラを見に行った先で、男が血を流して倒れているのを見つけてしまう。

感想

「delicate triangle」シリーズではないので、オカルトは一切ないです。

恭子が謎の男のブルーと出会い、心情が変化して行く様子が良かったです。

そして、恋人の達哉のせいで恭子が自分の想いを押し殺してしまった上、達哉が恭子のことを大切にしている様子がなかったので、恭子が達哉のもとを離れたのは正解だったと思います。

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