真柴ひろみ『卒業記念』:6作品を収録した短編集
今回紹介する1巻完結のマンガは、真柴ひろみ先生の『卒業記念』です。
- 表題作を含む6作品を収録した短編集
- 真柴ひろみ先生にとって初めての単行本
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概要
『卒業記念』は、表題作を含む6作品を収録した短編集で、真柴ひろみ先生にとって初めての単行本のようです。
そして、1980年に講談社から刊行され、2024年に電書バトによって、電子書籍化されました。
また、収録されているのは以下の作品です。
・卒業記念
・わたしの背高のっぽさん
・あこがれ&恋
・夏休みの経験
・3年半片思い
・フィール・ハッピー
あらすじと感想(少しネタバレあり)
卒業記念
あらすじ
美絵は、クラス委員の樋口君に片思いをしているが、そんな彼にはお似合いの彼女がいる。
そのため、想いを口にする勇気を出せないでいた。
そして、中学卒業式の日が近づいてくるのであった。
感想
最後に樋口君の想いが明らかになったのが良かったです。
それと同時に、美絵が想いを口にする勇気があれば、2人は付き合えたのにとも思いました。
わたしの背高のっぽさん
あらすじ
世里は、放課後は毎日「せいたかのっぽ」という店で翔と待ち合わせをしている。
ある日、翔のクラスに芳村やよいが転入してきた。
翔とやよいは、以前付き合っており、そのことを知った世里は不安になるのだった。
感想
翔がやよいとよりを戻さずに世里を選んだのが良かったです。
また、やよいが良い人で、世里の背中を押したところも良かったです。
あこがれ&恋
あらすじ
郁美の友人たちは、男子テニス部の高科先輩の話で盛り上がっていたが、女子テニス部の松浦先輩のことが好きな郁美には興味はなかった。
ある日、郁美は、松浦先輩からラケットのガットと張り替える道具を男子テニス部の部室まで取りに行ってほしいと頼まれ、部室で高科先輩からガットを受け取った。
しかし、そこで、郁美は高科先輩からつきあってほしいと告白される。
感想
郁美からの高科先輩と松浦先輩に対する気持ちの変化の描写が良かったです。
そして、その後の話を読みたいと思いました。
夏休みの経験
あらすじ
高校2年生の琴美は、夏休みの宿題をするために図書館へ行った。
そして、図書館の中で、琴美が通学バスで時折見かける憧れの大学生と出会い、落としたエンピツを拾ってもらった。
その後、帰宅した琴美は、幼なじみで自他ともに認めるプレイボーイの柊に図書館での出来事を嬉しそうに話すのであった。
感想
琴美が失恋して初めて自分を想ってくれている人が身近にいることに気づいたところが良かったです。
そして、最後のページで柊がプレイボーイをやめるほど琴美に対して真摯に向き合っているのがわかって良かったです。
しかし、最後のページは文字での説明だったので、もう少し詳しく表現して欲しかったです。
3年半片思い
あらすじ
千草には、中学の3年間に片思いをしていたが、何も告げることができなかった。
それから半年後、高校生になった千草がプリント刷りの手伝いで学校に残っていると雨が降ったので、自転車を置いて電車で帰ることにした。
そして、電車に乗ると、そこには3年間片思いをしていた相手の藤沢くんがいたのであった。
感想
千草と藤沢くんとの仲が、最初よりかは良くなり、これからどうなるかが気になりました。
そして、その後の話を読みたいと思いました。
フィール・ハッピー
あらすじ
お嬢様の章子は、家ではおばあさま好みの女性であるが、実際はそれとまるで正反対であり、学校でだけは本当の自分でいた。
ある日、章子は、ピアノの先生が来る日だったのを忘れていたのを思い出し、急いで帰宅するために校舎内を走っていたところ、転んでしまった。
そして、起き上がった章子の視線の先にはキーボードがあり、吸い寄せられたかのようにキーボードを弾き始めた。
その演奏を偶然聞いた、女子に人気のバンド「フェロウ」のメンバーから、フェロウに加入してほしいと頼まれ、章子は思わず承諾してしまった。
感想
他の5作品とは違い、恋愛要素がほぼ無く、恋愛物が苦手な人でも読みやすと思います。
また、おばあさまのために自分を押し殺していた章子が、本当の自分でいられるようになる過程がよかったです。
そして、『卒業記念』に収録されている作品の中では、「フィール・ハッピー」が1番好きだと思いました。
試し読みと購入
『卒業記念』の試し読みと購入は、以下の電子書籍ストアで行えます。
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本ページの情報は2024年9月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。