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『死にぞこないの青』:乙一の小説を漫画化した短編集

今回紹介する1巻完結のマンガは、原作 乙一、作画 山本小鉄子の『死にぞこないの青』です。

特徴
  • 乙一先生の小説を漫画化した短編集
  • 表題作を含む3作を収録

概要

『死にぞこないの青』は、乙一先生の小説3作を漫画化した短編集です。

そして、収録されているのは以下のようです。

死にぞこないの青表題作。
初出は『ミステリービィストリート』2003年6月号。
暗いところで待ち合わせ初出は『ミステリービィストリート』2003年4月号。
しあわせは子猫のかたち〜HAPPINESS IS A WARM KITTY〜初出は『ミステリービィストリート』2003年8月号。

あらすじと感想(少しネタバレあり)

乙一先生の原作小説を読んだことがないので、感想には漫画版に関するもののみを書きます。

死にぞこないの青

あらすじ

小学5年生のマサオは、生き物係を決める話し合いに参加する機会を逃した。

そして、話し合いが行われた事情を知らなかったマサオは、希望者のうち2人が辞退したという話を聞き、生き物係の枠ができたと思い、クラスの担任教師である羽田に自分が飼育委員だと伝えてしまった。

後日、羽田はマサオが嘘をついたと思い、マサオを叱った。

それ以来、羽田は何かにつけマサオを攻撃し、クラスメイトからもいじめを受けるようになる。

感想

羽田がクズすぎて胸糞が悪くなりました。

羽田の行動はエスカレートしていき、終いにはマサオを殺そうとしたのにも関わらず、マサオが羽田を殺そなかったのは、今後の人生に暗い影を落とさずに済んだので良かったと思います。

しかし、死ななかったのならば、もっと羽田が苦しむ描写があってもよかったのではないかと思いました。

暗いところで待ち合わせ

あらすじ

信号無視の車にぶつかって視力を失っただけでなく、脳卒中で父親を亡くした本間ミチルは、1人で暮らしていた。

このミチルの家に、殺人容疑で警察に追われた大石アキヒロという男が逃げ込み、気付かれないように潜み始める。

ミチルは、誰かがいることを確信するが、気付かないふりを続ける。

しかし、アキヒロは、物音を立てないよう静かにしているだけで、危害を加えるどころか、むしろミチルが大怪我をしそうになるところを助けてくれたりする。

感想

ミチルとアキヒロの奇妙な関係が面白いと思いました。

また、アキヒロは基本的に善人だったので、真犯人が別にいてよかったです。

そして、ミチルとアキヒロには、幸せに過ごしてほしいと思いました。

しあわせは子猫のかたち〜HAPPINESS IS A WARM KITTY〜

あらすじ

1人きりになりたかった主人公は、実家から遠い大学を選び、伯父が所有する古い家を借りて1人暮らしをはじめるが、そこは前に主人が強盗に殺されたいわく付きの家だった。

そして、前の主人、雪村サキが住んでいたときのままになっていた家で、そこで飼われていた猫と供に住み始める。

しかし、この家では、テレビが勝手についたり、食事が用意されるなどの不思議な現象が起きるのであった。

感想

幽霊が登場しますが、ホラーな話ではありません。

主人公と幽霊の雪村との関係は奇妙だけれども、確かなもであるなと感じました。

また、大学生が池で溺れ死んだ事故と雪村が殺された事件の真相が曖昧にならずに判明したのがよかったです。

試し読みと購入

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