【1巻完結】『漫画 トルストイ 人は何によって生きるか』【民話】
今回紹介する1巻完結のマンガは、原作 レフ・トルストイ、作画 石川森彦、解説 亀山郁夫の『漫画 トルストイ 人は何によって生きるか』です。
概要
『漫画 トルストイ 人は何によって生きるか』は、トルストイの創作民話「人はなんで生きるか」をマンガにした『漫画 人はなんで生きるか』を一部改編した作品です。
そして、「人はなんで生きるか」をマンガ化した本編の他に、新型コロナウイルスがまん延する2020年の日本・東京を舞台にした現代日本編、名古屋外国語大学学長・ロシア文学者の亀山郁夫先生による「人はなんで生きるか」の解説も収録されています。
また、『漫画 人はなんで生きるか』は辰巳出版から刊行されましたが、『漫画 トルストイ 人は何によって生きるか』は幻冬舎から刊行されました。
あらすじと感想(少しネタバレあり)
本編
あらすじ
18XX年の秋~冬、ロシアのある村の貧しい靴屋のセミョーンは、女房のマトリョーナや子どもたちといっしょに、農家の家の部屋を間借りして住んでいた。
生活は苦しく、稼いだお金は食費に消え、毛皮外套も妻と共有のぼろしかなかった。
ある日、靴の修理賃をうまく回収できなかったセミョーンはやけになり、なけなしのお金をはたいてウォッカを飲んでいた。
家へ帰る道すがら、セミョーンが曲がり角の礼拝堂のそばまで来ると、そこには裸の男が身動きもしないまま壁にもたれて座っていた。
感想
当時のロシアの宗教観や時代背景がわからないと理解しにくい部分があります。
しかし、マンガになっているので、全体的にはわかりやすかったです。
そして、解説を読めば、理解しにくいところも補完できると思います。
また、作中の「それぞれの人々の心の中に愛があるからこそ生きていける」というセリフを見て、確かに愛は大切だと思いました。
ただし、愛の定義は何なのかという疑問は残りました。
現代日本編
あらすじ
2020年春、日本・東京に暮らす田中家の生活は、新型コロナウイルスによって変わってしまった。
都内総合病院の内科医長である父・耕太郎は新型コロナウイルス感染症の治療に追われ、中学校教師である長女・美咲は勤務する中学校が休校となり、次女・優香は研修を受けている保育園が休園となる。
そして、優香は「新型コロナウイルスによって人間は翻弄されている。人と人のつながりって、いったい何なの?」と悩む。
感想
新型コロナウイルスがまん延する2020年の日本・東京を舞台にすることで、本編で伝えたかったことを補足しようとしていると思いました。
そして、本編だけよりも理解しやすかったです。
また、相手を尊重し助け合う愛が、現代の日本には必要だと思いました。
試し読みと購入
『漫画 トルストイ 人は何によって生きるか』は、以下の電子書籍サービスで冒頭部分の試し読みと購入ができます。
※U-NEXTに関して
本ページの情報は2023年5月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。